「あなたと私の合い言葉 さようなら、今日は」★★
2006-01-24


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1959年大映。久里子亭原作、市川崑監督。のっけから京マチ子と電話する若尾ちゃんの棒読みの台詞まわしに笑う。誰がどう見ても小津映画のパロディ。父親役、佐分利信は小津作品のときと変わらない自然さだから、見ているほうは笑っていいものか混乱する。インテリのカーデザイナーという役柄だから、眼鏡をかけたり、意識してエキセントリックな役作りをしたのだろうけれど、これはちとやりすぎというものであろう。フィアンセ(菅原謙二)をあっさりと友人(京マチ子)に譲り、好意を寄せていた苦学生(川口浩)も妹に譲り、父親とはお互いに親離れ子離れしようと約束して、若尾ちゃんはドライに単身アメリカへ船で旅立つのであった。

この年は、本作が1月3日の公開。続いて2月10日に「最高殊勲夫人」が公開され、以降12月27日公開の正月映画「初春狸御殿」まで一年間に合計11作品に出演。11月17日公開「浮草」では本当に小津作品への出演が実現。山本富士子を松竹に貸し出したことへの返礼として小津が大映でメガホンを取ることが実現したもの。
[若尾文子]
[MOVIE]

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