ヘンリー・ムア 生命のかたち
2010-08-12


ブリヂストン美術館。ムーアがイギリス人であることもあり、ストーンヘンジをテーマにしたリトグラフをたくさん残していることは初めて知りましたが、お目当ては常設展示のゴッホ「モンマルトルの風車」(1886年油彩/カンヴァス)。隣に飾ってあったのがゴーガンの同じ年の作品「馬の頭部のある静物」だったことはとても興味深いです。ゴッホもゴーガンもこの時期、まだ今日の名声につながる画風が確立しておらず、いわばゴッホが「ゴッホ」になる前、ゴーガンが「ゴーガン」になる前の作品だという点です。馬の頭部の後ろに飾ってあるのが、日本の扇子である点など、二人に共通する日本文化、特に浮世絵の影響を感じずにはいられませんが、ゴッホのほうは、大胆に横線、縦線を重ねる独特のタッチがまだ見られませんし、ゴーガンのは、すぐ隣に並ぶ3年後の作品「乾草」で見られる独特の色彩の配置がまだ見られません。二人がアルルで共同生活をし、悲劇的な破局を迎えるまでにそれぞれが独自に自己を確立していく過程、芸風の違いを考えずにはいられませんでした。
[ART]
[Van Gogh]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット